インド・ムンバイで生きる、活かされる
パデコは、2011年頃からムンバイの都市交通セクターへの関与を始め、2016年に現地法人であるパデコ・インディアをムンバイで開設して、その後は交通インフラ整備の詳細設計、施工監理業務に参画しています。大きな案件としては以下の3つが挙がります。
Mumbai Trans Harbor Link(MTHL、Atal Setu)
ムンバイの半島部(島嶼部)と対岸の新市街(Navi Mumbai)や港湾地区を接続する、全長22km、6車線、全線高架の海上道路の計画に携わり、また、円借款資金を活用した事業形成、調達支援、2018年から2023年までの全期間に亘る施工管理をリードしました。2024年1月に無事開通し、ムンバイ都市圏の主要幹線道路として機能しています。ムンバイは稠密な沿岸都市であり、新規幹線道路を整備する土地がすくないため、沿岸・海上道路のネットワークを形成することで都市モビリティを確保しています。この辺りは、1964年のオリンピック開催を控えた頃の、東京の河川空間を用いた道路整備に似ていますね。
また、MTHLはムンバイ都市圏の外郭環状道路の一部として位置づけられており、南東部の港湾地区(JNPT港~インド最大のコンテナ港)、西側の沿岸都市を縦貫する高速道路群(Coastal Road、BWSL、VBSL、VVSL/UVSL)との接続でますますその真価を発揮することになると考えています。
この事業の経緯は、2024年4月号の土木学会誌で報告しました。

MTHL、ムンバイ側からの全景(写真提供:IHI、2023年)
Mumbai Metro Line 3(MML3、Aqua line、ムンバイメトロ3号線)
ムンバイの北部の巨大住宅団地(Aarey)・産業地区(MIDC)から、ムンバイ国際空港と新幹線予定駅に接続し、
、インド株式市場のある副都心BKC地区を通過し、主要鉄道ターミナル3駅(Central、CSMT、Church Gate)に接続し、更に歴史地区である半島の先っぽまで走りきる、全長32.5km、27駅、全線地下という、世界的にも最大規模の地下鉄整備事業です。パデコは、2013年に基本設計を実施し、2015年以降は総合コンサルタント(設計から調達管理、施工監理まで全般的に担当)の立場で従事し、日本人含め約100名の監理要員を送り込みました。2024年9月に北部区間(BKC~Aarey)が開通し、2025年10月9日に全線開通となりました。
ムンバイは都市鉄道(インド国鉄により運行されている郊外鉄道)が非常に普及している都市ですが、大変混雑しています。MML3は既往鉄道をバイパスする一方で、新しい都市機能(空港、新幹線駅、副都心であるBKC地区など)を有機的に接続します。MML3の他、2号線、7号線が一部開通しており、今後のムンバイでは、メトロネットワークを核としたモビリティがますます充実するものと見ています。
開通直後のBKC駅構内(2024年9月)
ムンバイ~アーメダバード間 高速鉄道(Mumbai-Ahmedbad High Speed Rail, MAHSR)
インドの金融首都ムンバイ、商都アーメダバドを接続する全長約500kmの新幹線整備です。日本国内では、「インド新幹線」とも呼ばれています。1964年に開通した、東京~新大阪間の東海道新幹線(510km)に類似する規模です。日本、インドで協力した事業計画が進められ、詳細設計などはほぼ日本側で実施されました。施工段階に入り、土木部分整備はインド主体、鉄道システム整備は日本主体で進められています。パデコは土木部分のPMC(事業監理コンサルタント)として、インド企業のTata Consulting Engineerらとともに参画しています。
パデコが主に従事するのは鉄橋部分の施工管理で、全線500kmのなかに29地点の鉄橋があります。インドはコンクリート橋(PC橋)を作るのはとても得意ですが、鉄橋整備経験が乏しく、パデコからのエキスパートがこれをサポートしています。

GAD28番橋梁~60mスパン、アーメダバドから約80km南西、Vadodara駅近辺の橋梁(2024年10月)
ムンバイでのプロジェクトは、この3つに留まりません。2016年の設立以来、交通インフラ整備業務を中心に、森林保全、都市開発、医療機関新設などのプロジェクトに現在進行形で携わっています。パデコ・インド支店、パデコ・インディアはムンバイをベースとして成長していくVisionを描いています。